プルーシュ師の『自然の光景』にみるウールの技法
The art of wool in Abbé Pluche's
VBC Podcast
The art of wool in Abbé Pluche's "Spectacle de la nature"

『動物にも人間と同じように住処を作るものは多くあるが、人間よりほかに衣服を身に着けるものはない。最も普遍的な経験は、法で治められる国の全てにおいて、いつの時も、どんな場合でも、より温暖で穏やかな気候で身体の保護を全く必要としなかった時でさえ、衣服を身に着ける習慣を礼儀にかなった欠かせないものと見なしていたことを私たちに教えている。
その理由、つまりこの矛盾の認識を人は実体験から、きっと肌の保護に布で覆うことが必要なためと考えるであろう。しかし、それは揺らめきをもち確率性を欠いた理由づけで、均一性をもった肯定を常に得るには十分でない。人の精神のムラも、哲学者の理論も、未だかつて一国のひとつの総合的秩序に導いたことはないのだ。衣服を身に着ける習慣はずっと高いところに生まれたのだ。』

それは一体何?どこから、あるいはいつからあるのでしょうか?
衣服の起源は、生贄の儀式に関連し、宗教を目的とした集いに関連していたといえる。つまり衣服と宗教は共通した起源をもってこの世の最も古い出現したのだ。

衣服と宗教的感情は、古に同時に生まれたものであるため、人間性の内面的な性質なのです。人類は何らかの神を信じずにはいられないのと同時に衣類を身にまとわずにはいられないのです。人間のこの二つの生来の行動が、人間と他の動物とを区別するのだと言っているのです。

18世紀半ばに印刷されたプルーシュ師と1786年にイタリア語に翻訳されヴェネツィアで出版された第11巻の扉。

こう解釈したのは、1732年、彼の最も有名な著書、『自然の光景、あるいは若者の好奇心を刺激し、思考の鍛錬により適すると思われた博物学の特殊性についての対談』全8巻を出版したノエル-アントニオ・プルーシュ師(1688-1761)です。『自然の光景』は、何十回も再版をかさね、ヨーロッパ各国で翻訳をされた言わば百科事典の前進のようなもので、全ての点で、現代的な意味における言葉の『百科事典』でした。ジャンセニズムに懐疑的なプルーシュ師は、聖職者というより布教使で、『自然の光景』は特に、対話的で教育的要素に重点をおいて出版されました。
しかし、このランス生まれの天才は何を広め、何について教育を授けようとしたのでしょう?実は端的に全てだったのです。プルーシュ師は、世界と自然界の全てを示し、語り、説明したかったのです。そこには当然、織りや衣服の縫製におよぶまでのウール生産全作業のような人類の全ての営みも含まれていました。

これは民衆に向けた出版物(百科事典編纂者や啓蒙学者のような知識人の花形にとっても、それこの本の技術的、科学的価値の有用性を事実、疑いなく認めざるを得ないものあったのですが)であったために、著者は内容を簡単に理解してもらうために解説図を使用することにしました。初版全8巻やそれ以降の版には、鮮明な図解が至るところにちりばめられています。当時、イラストは必要不可欠な要素を『静止画』として、人が道具や機械と相互に作業するものを効果的に同時にかなり『ダイナミック』に用いる時代でした。ノエル-アントニ・プルーシュのような人は、既に機械の時代の到来を水平線に目視していたのです。

文体は神に恐れをなす聖職者のもの、しかしその思考は技術開発者や科学者のそれでした。そして神の存在は信じ、それでも発展と発展の奇跡を起こすための民衆への教育の必要性も感じていたのです。

同社屋内の廊下に飾られたボード

ウールメーカー ヴィターレ・バルべリス・カノニコ社内の廊下やオフィスルームを歩き回ってみると、バロック後期という古き王政時代の紡錘や旧式の織機、器具や歯車を用いた装置、衣装や人物像などが描かれ、額に収められた小さなボードに気がつくでしょう。
これらはこれまでお話したプルーシュの『自然の光景』にある象徴的な機械類なのです。
1747年のチェルヴォ―ネ社によるナポリ版、あるいは1786年のペッツァ―ナ社によるヴェネツィア版からのもので、いずれも全14巻となっています。うち第11項目は、全体に『人の衣類』を取り上げており、第11巻に収められています。
これらの挿絵はどの版をとっても、緻密で正確、鮮明かつ生きいきとしています。

コレクションから二作品

これは二世紀半前に消えてしまった世界の再発見への小さな順路の始まりです。しかし、この織りものに携わっていた先人たちの世界には、今日のものの起源として認めるべきものがあります。ビエッラの古き織物職人たちの中には、プルーシュ師にモデルとして役立った者がいたに違いありません。バルべリス・カノニコの人たちもきっと、、、

アーカイブの歴史的テキスタイル
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ヴィターレ・バルべリス・カノニコ・コレクションのテキスタイル
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