Vitale Barberis Canonico

トミー&ジュリオ・カラチェーニ

トミー&ジュリオと言えば、映画の男性コンビの名前に思えるかもしれません。トミーの『Y』は、イタリア語名には存在しないため、今日でもインターナショナルなイメージを与えますが、80年代には今にも増してチャーミングでエネルギーに溢れる印象を与えました。
今回語りたいのは、強い絆で結ばれ、互いの結婚式を同じ日に行ったほど仲が良かった著名な兄弟テーラーの話です。二人の名前はローマのサルトリアの歴史にしっかり刻まれていますが、彼らの話をするにはまず、カラチェーニ家の過去に触れねばなりません。一家の始祖トンマーゾは、1800年代半ばのアブルッツォ州の海辺の町オルターナで、それと知られたテーラーでした。
ですが、カラチェーニが本格的な発展を遂げたのは彼の3人の息子、ドメニコ、アウグストとガッリアーノの代になってからです。長男がローマにアトリエを開き、間もなく他の兄弟も上京。次男は、ビジネスの拡大を担い、パリとさらにミラノで今日の名店となるサルトリアをファーテベネフラテッリ通りに開きます。三男は、ナポリにアトリエを開けますが、間もなく店を閉じることになります。ローマ店のドメニコが亡くなり、2人の甥、トミーとジュリオが、彼らの父ガッリアーノと共に店の舵取りをすることになます。まさにここで、同店の定番となるスタイルが生み出されました。
ローマのカンパーニア通り61番地Bという住所に今日も佇むこのアトリエは、2006年から4代目のアンドレアがファミリーの代表として切り盛りしています。そして30歳代の若きテーラーの脇を伝説的カッター、ジャンカルロ・トニー二がかためています。カラチェーニ家の男たちが作るスーツには共通した個性があります。しかし、ローマのカラチェーニのラインはさらに抱擁力と豊かさを持ち、一目でそれとわかる個性を備えています。例えば襟は必ず9から9,5㎝、袖ぐりは広めで、パンツの折り返しは4,5㎝以上、ピークド・ラペルはオリーブの葉の形をしています。創業以来、常に妥協は許さない。それはカラチェーニのスタイルは、ディテールにこそ悪魔の棲みついているかのようなこだわりが隠されているからです。

トミー&ジュリオ・カラチェーニ:でヴィターレ・バルべリス・カノニコのファブリックが見つけられます。
住所
Via Aurelia, 32
00187 Roma, RM - イタリア
時間帯
月-金: 9.00-13.00/15.30-19.00
問い合わせ先 
電話: +390642744023/+390642744023
Fax: +390642825039
Eメール: caraceni@tommygiulio.191.it
tommyegiuliocaraceni.com
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