Vitale Barberis Canonico

ブラウン系の靴

年代もののラム酒、タバコあるいはチョコレートのようなブラウンでトウキャップのみにブローギングのあるカーフスキンの靴は、昼用のスーツに合い、ブラックシューズよりも、より落ちついたトーンを生みます。
革が厚くきめが細かい筋目の入ったものなら、カジュアル性の面でもワンポイントアップ。紡毛のふっくらしたファブリックでもぴったりです。ただし、ブラッチャーシューズが合うような完全にスポーティーなものには向きません。

ブラック・シューズ

カーフスキンのブラックシューズで、トウキャップのものは特に重宝するアイテムです。夜の装いにぴったりで、冠婚葬祭にも欠かせず、初めて買い揃えるワードローブの中でも、ビジネス用やフォーマル用のウーステッドならこれで間違いなく決まります。こうした靴は、一件外見の美しさを求めていない、まるで軍人用アイテムにも思える厳格さしか感じられるかもしれませんが、細部まで手入れを怠らず、艶出しをしてやることで初めて、その美しさが内側から滲み出てくるものです。

ブローグリング

これは、紳士靴における並行した2本の縫い目によるデコレーションのこと。たいていの場合、縫い目の間に大きな穴と縦に並んだ2つの小穴という2つの異なる大きさの飾り穴が交互に型抜きされている。ブローグリングはつま革を構成する数枚の異なる皮の縁飾りで、物によっては、メダリオンと呼ばれるつま先の飾りとで一つの対のデザインとして完成するものもある。元々は、飾りとしての他に、濡れた土地を歩いているうちに靴が含んだ泥水を乾かすために考え出されたとされる。そんなスコットランドやアイルランドの田舎での習慣が町で暮らすジェントルマンたちに気に入られ、紳士靴におけるイングリッシュ・スタイルを代表するエレメントにまでなった。